このページの本文へ

Migrants interview 移住者インタビュー

故郷で夢をかなえるために

三宅春香さん

<三宅春香さん>倉敷市出身。実家の酪農を継ぐために北海道の大学へ進学、卒業後1年間北海道でチーズづくりを学び、地元へUターン。準備期間を経てチーズ工房を開業。

移住時の年代
20代
家族構成
単身
移住スタイル
Uターン
移住時期
移住の年代/20代
家族構成/単身
移住スタイル/Uターン

実家の酪農を継ぐため、北海道の大学へ進学

酪農を営む倉敷市の実家で生まれ過ごし、県内の農業高校から家業を継ぐため北海道の大学へ進学。酪農について深く学び、卒業後も北海道でチーズづくりの経験を重ね、実力をつけて帰郷しチーズ工房を開業された三宅さん。
進んできた道を見ると、幼い頃から目指すべき目標に向かって確実に、まっすぐに進んで来られた印象を受けますが、意外にも「中学までは家業を継ぐことは全然考えていませんでしたよ」と笑顔で教えてくれました。幼い頃から牛のお世話の手伝いなどが日常にあって、酪農自体が決して嫌ではなかったけれど、自分が働くイメージは全くなかったそうです。
ですが、高校はごく自然に農業高校へ。クラスメイト達と学ぶ中でその面白さを見出し、“家業を継いで倉敷でチーズ工房を開く”という目標を立て、実現のために今日まで歩んで来られました。

現在、チーズづくりは一人で行い、完全予約制で販売されています。「作業はもちろん大変ですが、必要な分だけを作ることができるので、廃棄が出ないことは良いことだと思って頑張ってます」と明るいご返答。チーズづくりについては倉敷へ戻ってからも県内外のチーズ工房に足をのばし、交流を図りながら、日々新商品の開発や味の研究をされているそうです。
また工房のある玉島地区にある飲食店などの卸先の確保や、イベント出展など、ご自身で販路の開拓もされています。「地元ということで、つながりのある方が皆さんとても親切にしてくれているので励みになります」。バイタリティに溢れ、その笑顔と努力を怠らない姿勢に周りの方が自然に手を貸したくなるのも頷けます。

応援してくれるひとたちに支えられ

チーズづくりについては学びの場がありましたが、開業にあたっては工房の建設や経営のこと、行政の手続きなど不慣れなことも多かったそうです。「チーズづくりには牧場のすぐ近くに工房を構えるのが必須ですが、当たり前にできると思っていたことも細かく許可申請や書類が必要だったりと、あれもこれも知らないことだらけで驚きました。」
そんな中でも「とにかく色んな場所でたくさんの人から話を聞いて、教えていただき、手を借りて。分からないことが多かったからこそ、逆にやってやる!と頑張れたような気もしています(笑)」現役の酪農家であるご両親からのサポートも手厚く、チーズづくりに専念できる環境が整っていることが、より三宅さんの背中を押してくれています。

倉敷に戻って感じたこと

北海道からUターンした今も、チーズづくりの勉強を兼ねて県外や海外に足を運ぶ三宅さんにとって、倉敷市の魅力とは「自然や昔ながらの街並みを適度に残しつつ、買い物や交通の便もいいという“ほどよさ”」。チーズづくりやお店のことで気になることがあれば、勉強や交流も兼ねて車で他のチーズ工房にお話を聞きに行くこともあるそうです。また人口の少ないエリアでの取り組みであることもあり、ご近所からの応援の声が熱く、マッチングの紹介もあるとか。
「ご近所さんからすると娘や孫の世代なので、身近に感じてすごく期待や応援をしてくれるのがすごく伝わってきます」。

“これから”について

先にも触れたように、チーズづくりは全て一人で行い、販売方法は完全予約制です。
「ロスをほとんど無くせるため、今の自分には合っていると思います。今は消費期限の短いフレッシュチーズをメインに作っているのと、生産できる量に限りがあるので。」
意欲的に活動されている三宅さんに今後の展望を聞くと「工房まで足繫く通ってくださるお客様も多く、大変嬉しいです。ただ良質なチーズづくりのためとはいえ、山中の牧場そばにある工房には来店が難しい方もいらっしゃるので、将来は美観地区のあたりにチーズ専門店を持つことが夢ですね。もっとチーズの種類も増やしたいし、広くお客様に届けられるようにまずはキッチンカーでの販売を行っていきたいです。」
またチーズの可能性にも着目しており、「例えば柔らかいフレッシュチーズのモッツァレラチーズはお肉と同じくらいタンパク質が含まれていて栄養も豊富。90歳の私の祖母も、お肉は食べづらいようですがモッツァレラチーズだと食べられます。栄養補助の観点からも、チーズがもっと広まればいいなと思っています。」聞けば聞くほど目標ややりたいことなど前向きな言葉が出てくる様子はとても頼もしく、「言い続ければちゃんと叶うんじゃないかなって思っています。有難いことに耳を傾けてくれる方もたくさんいるので。」と笑って話す三宅さん。
生まれ育った故郷の倉敷市を拠点にした、これからの活躍が楽しみです。

※インタビューはマスク着用の上、距離を保って行っています。
撮影時のみマスクを外していただきました。

いち早くチーズを取り扱ってくれた思い入れのあるお店です。

玉島地区にあるカフェ

お昼は管理栄養士さんによるランチ、夜はバルの2つの顔をもつ、新倉敷駅前の人気飲食店

#2階席の景色◎
#マルゲリータおすすめ
#とにかく美味しい!

一覧へ戻る

PAGE TOP