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People working in Kurashiki 倉敷で働く人たち

美観地区から
「心の豊かな暮らし」を発信

美観地区にある築100年の古民家を活用したゲストハウス&カフェ『有鄰庵』。
ここを運営している株式会社有鄰の代表・犬養 拓さんは、
現在、倉敷と東京の2拠点を行き来する生活を送っています。
美観地区のシンボルでもある大原美術館を創設した大原家にゆかりの深い犬養さんに、
倉敷で実現している「心の豊かな暮らし」についてお話を伺いました。

犬養 拓 株式会社 有鄰 代表取締役

倉敷と東京を
行き来する日々

僕自身は東京生まれの東京育ちですが、母方の実家が美観地区にあるため、この辺りは小さい頃からなじみ深い場所でした。広告代理店で12年働いた後、2014年に自分の会社を立ち上げ、関わった仕事のうちのひとつがこの有鄰庵でした。
当初は月に1度、何日間か倉敷に滞在して打ち合わせなどを行う程度でしたが、だんだん深く関わるようになり、2016年に株式会社有鄰の代表に就任しました。今では、月の半分以上は倉敷で生活しています。

代表になってまず行ったのは、スタッフの働き方の見直しでした。
有鄰では僕が代表になってから「心の豊かな暮らしを創る」を企業理念に掲げるようになりましたが、外から来られるお客様はもちろん、何よりもまずスタッフとして働いている人たちがなるべく生き生きとストレスなく働ける場所になるようにしていきました。

全国各地から集まってきたスタッフたち

有鄰の正社員スタッフ12人中、他県からのIターン移住者5人、Uターン2人のほか、地域おこし協力隊として移住者3人を受け入れています。うちの宿に泊まったことがきっかけでスタッフになった人が多く、埼玉や福島、広島、福岡など日本のあちこちから集まっています。そのほか、カメラマンという手に職があって移住してきた方と毎月カメラマンとしてのフィーをお支払する契約をして、会社の情報発信などのお仕事を手伝ってもらっている、というケースもあります。

さらに、地域おこし協力隊を受け入れて一緒に新規事業を立ち上げ、土地の手配・契約や建物のリノベーション、厨房設備の導入など初期投資はうちの会社が負担して、1〜2年後の任期終了までには彼らの「なりわい」として成り立つことを目標にいろいろな事業を進めています。

倉敷と東京の働き方の違い

首都圏から越してきたスタッフたちがよく言っているのは、「通勤時間が短縮されただけでも、暮らしのクオリティが劇的に変わった」ということです。首都圏では混んでいる電車に乗って1時間以上かけて通勤していたのがうちの会社に来てからは歩いて通勤しているというスタッフも多く、遠くても自転車で10分以内の通勤時間なので、自分のための時間をたっぷり確保することができます。だからなのか、自分の周りの倉敷の人たちはみんな、自分のペースで楽しそうに働いているように見えますね。うちの会社に限って言えば、美観地区で仕事ができることもとても贅沢な環境にいると思います。

たとえ仕事がたてこんだときも、ふと外に出ると白壁の素晴らしい町並みが広がっていて、少し歩くだけでも落ち着いた気分になれます。最先端の仕事やアート、カルチャーなどに関しては、正直、東京でないと得られないものもありますが、暮らしに必要な衣食住に関しては好みのものを選べるバリエーションがあり、大規模な病院が多く医療機関も充実しているので、倉敷はちょうどよい規模感の住みやすい都市だと思います。

倉敷の空気感を
体感できる宿

移住先として倉敷を選択肢に考えている方は、ぜひ一度、何日か滞在してみてください。有鄰庵ならホテルや旅館で宿泊するのとはまた違った視点から、この街で暮らしている人と同じような感覚で滞在することができます。ご宿泊時には、泊まる人とスタッフの全員で大きなトチノキのテーブルを囲んで、くるま座になって自己紹介をするので、移住してきたスタッフに話を聞くこともできます。また、日曜の夜に開催している「ちょこっとよるカフェ」では地元の人とも交流できるので、倉敷に住んでいる人と話してみたい、リアルな倉敷が知りたいという方は、こちらを利用してみてはいかがでしょう。

心を豊かにしてくれる
「本当にいいもの」を
伝える仕事

宿やカフェに来て泊まってもらうほかにも、まだ世に知られていない岡山・倉敷の価値を伝えることも有鄰の仕事のひとつです。有鄰庵の隣に2017年にオープンした、岡山・倉敷の「いいもの」だけを集めたショップ『美観堂』と、商店街の中にあるスイーツショップ『はれもけも』は、地域おこし協力隊と共同で進めている事業です。美観堂では、地元の食品や雑貨、工芸品などの販売のほか、オリジナル商品の開発も行っています。

ショップやネットでの販売のほか、東京にある岡山県のアンテナショップ『とっとり・おかやま新橋館』でイベントを行うなど、良いものを広く伝える窓口としてプロデュースや発信の仕方も一緒に考えています。美観堂を立ち上げてから、地元の生産者さんや作家さん、メーカーさんたちとの繋がりも増えたので、今後も地域に貢献できるような新たな仕事やなりわいを生み出すサポートを行っていく予定です。

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