横浜の消防士から倉敷の消防士へ
嶋田大志さん
<嶋田大志さん>福岡の大学を卒業後、神奈川県横浜市で消防士として3年間勤務したのち、移住。倉敷でも消防士として勤務している。
- 移住時の年代
- 20代
- 家族構成
- 夫婦と子供
- 移住スタイル
- Jターン
- 移住時期
九州から関東、そして瀬戸内へ
大学卒業まで福岡で過ごした嶋田さんが就職したのは、神奈川県横浜市の消防署。「公務員を目指す中で消防士への道を選び、同時に関東での就職を希望していたので、生活の拠点を横浜へ移すことになりました」とのこと。
3,000名を超える大きな組織で、火災現場を経て火災予防の仕事に従事することになります。仕事へのやりがいや使命感、大都市の利便性は実感しつつも、休日の人混みや満員電車の移動、食事の嗜好など様々な環境から移住を考えるようになる中、一人旅をする機会があり、倉敷、福山、尾道、広島など瀬戸内へ。その際に「うまく表現できないけど倉敷や尾道って、なんかいいなあ」と感じ、「僕にとっては関東より西日本の方が落ち着くことに気づきました。そこから瀬戸内への移住を考えるようになり、自分なりに下調べをして倉敷への移住を決めました」。
嶋田さんが転職したのは、横浜時代と同じく消防の仕事。公務員での移住を検討していると、倉敷市消防署の採用試験を見つけ受験。移住後も消防士として従事されています。「一人旅の時のイメージ通り、移住してから僕には人や文化など西日本の方があっているなあと実感しています。食事についても西の方がやはり好きだなと。横浜にいる時も実家から醤油を送ってもらっていたんですよ。もう本当にこれだけは譲れなくて(笑)」。
趣味が仕事に活きる
小学生でバスケットボールを始め、現在もチームに所属して続けている嶋田さん。もうひとつの大きな趣味がラップ、15歳でその世界に引き込まれバトルや大会にも積極的に参加し、今も仲間たちとラップに興じており、まさにライフワークとも言える趣味が、仕事にも活きたエピソードをお持ちです。「僕が所属しているのは倉敷市消防局の予防課という部署で、火災警報器の設置推進も業務の一つなんですが、どうやったら人の心に響くというか印象に残るだろうかと考えて、ラップ動画でアピールしたら面白いんじゃないかと、局内で提案してみたんです」上司や同僚の理解を得て、さらに参加、ラップ動画の制作協力もしていただき、倉敷市消防局公式のSNSに公開したところ、消防庁から全国の活動のひとつとして取り上げられ、局内からも賛辞の声を多く得たそうです。「歌詞は全部僕が書きました、真面目な内容のラップなので是非多くの方に見てほしいです」。
消防に携わる仕事でも、横浜より倉敷の方が自分に合っていると話す嶋田さん「どっちがいいというのではなく、大都市より倉敷の方が規模的にも風土的にも自分には心地いいんだろうなと感じます。周りの人たちにも恵まれ、すごく良い環境で仕事と生活ができています」。
倉敷で変わったこと
変わったのは仕事の環境だけではなく、当時からパートナーであった奥様と一緒に移住し、1年後に結婚して現在では3人家族で暮らしています。奥様は関東の方ですが、5年が経過して奥様もすっかり倉敷の暮らしに馴染んでいるそうです。
移住してから変わったことを伺うと「移住だけがきっかけではありませんが、ミニマリスト志向が強くなりました。例えばTシャツも上限を決めて枚数を持つようになり、デザインや柄もシンプルなものばかりになりましたね」。アウトドア志向も強くなり「車で自由に移動できるのも魅力ですね。移住後に釣りを始めました。釣り場はどこも混んでいないし、近くで釣りをしている人たちとのコミュニケーションも楽しいですね。倉敷は山にも海にもアクセスが良くて、生活に必要なものも揃えやすく、ほどよいシティ感がすごく暮らしやすいです」。
新しい生活様式と展望
消防士というと消火活動やレスキューなどのイメージが強いですが、様々な仕事があります。
先にも触れましたが嶋田さんの業務は、予防課という火災予防の啓蒙やPR活動の企画などをする部署。「今の部署では消防車に乗ることはないんですよ(笑)」と話しつつ、責務と仕事へのプライドをしっかりと感じます。「僕のいる部署はリモートワークも実践していて、在宅での仕事にも対応しているんですよ、現在は全国会議もオンラインが主流になってきています」。
お気に入りの場所は「美観地区と阿智神社」。どちらもよく足を運ぶそうで、特に阿智神社から見る景色がお気に入り。「一人旅で来た時に見て衝撃を受けたというか、この景色に引き込まれたんですよ。美観地区の屋根とかすごく気に入ってて、ずっと見ていられます」と景色を見つめつつ「僕は旅で倉敷が気に入ったけど、移住するなら一度は自分の目で見た方がいいですね、自分にあった場所で暮らすと自然体で生きられますよ」。
今後の展望は「定年までここで勤めるつもりです、その先のことは追々考えます」と明るく話す嶋田さんは移住から6年を迎え、すっかり倉敷市民となっています。
※インタビューはマスク着用の上、距離を保って行っています。
撮影時のみマスクを外していただきました。
ただただ雰囲気が好きです。
よく家族でも来ています。
阿智神社から望む美観地区の町並み
境内にある見晴らし台からの景色。
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#落ち着く