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Migrants interview 移住者インタビュー

児島の穏やかな地で、子育てとパン屋の生活を楽しむ。

片山夕美さん

片山夕美さんは大阪府出身。夫の康之さんと3人の男の子と一緒に児島に住み、自宅の隣でパン屋「Bakery Yuumino」を営んでいます。夕美さんにとって倉敷への移住は、これまでに2度ありました。

移住時の年代
20代
家族構成
単身
移住スタイル
その他
移住時期
2010年

2度の倉敷移住

片山夕美さんは大阪府出身。夫の康之さんと3人の男の子と一緒に児島に住み、自宅の隣でパン屋「Bakery Yuumino」を営んでいます。夕美さんにとって倉敷への移住は、これまでに2度ありました。

1度目は大学進学の時。高校時代の家庭教師の先生が岡山出身だったことも影響して、倉敷芸術科学大学のオープンキャンパスで初めて倉敷を訪れました。その時に穏やかでゆったりしていて良い雰囲気だなと感じたそうです。こうして倉敷芸術科学大学に入学し、彫刻の勉強をしました。卒業後は笠岡市の放送局へ入社。

「大阪に帰ることはあんまり考えませんでした。賑やかな大阪よりは、ゆっくりしていてちょっと静かな雰囲気のこちらのほうが私に合ってたんだと思います。倉敷に来たらすぐに関西弁は抜けましたし、こちらのことを全部吸収していきました(笑)」

笠岡で働いているときに趣味でパン教室に通うようになり、すっかりパン作りにはまってしまったそう。
「自分の手で作ることに魅力を感じていて、作ることを仕事にしたいという思いが心の奥にずっとあったみたい」という夕美さんはパン屋になることを決め、両親の反対を押し切って岡山のパン屋で働くようになりました。
でも、そこでは思っていたようにパン作りが身につかなかったそう。すると、そのころには夕美さんを応援するようになっていた両親が、専門学校に行くことを勧めてくれました。そして、東京の専門学校へ入学。
学校を卒業後は、東京の名店「ブーランジェリー・オーベルニュ」に就職しました。独立支援をしてる店で、外部の講習会にも積極的に参加させてくれるなど「学びを得る機会がたくさんあって刺激的だった」そうです。

夫・康之さんとの出会いは、笠岡の放送局に勤めていたとき。
康之さんは倉敷芸術科学大学の先輩で、在学時から存在は知っていたそう。康之さんは、卒業後に美術家として活動し、クリエイターズラウンジを設立して「吹上美術館」の運営に携わっています。夕美さんは卒業してからも何かしらの形で彫刻を続けたくて、美術家として活動している康之さんにいろいろ相談するようになったそうです。

康之さんは展覧会への出展のために東京に行くことが多く、その度に夕美さんが働いているパン屋に立ち寄っていました。「それまでパンにはほとんど興味がなかったけど、東京のお店のパンを食べたときに“パンってこんなにおいしいんだ”と感動しました。これを児島でもやってほしいと思ったんです」と康之さん。夕美さんが東京でパン修業を初めて3年後に結婚し児島へ。
夕美さんにとって2度目の倉敷移住でした。

 

 

自然に溢れた場所でパン屋をオープン

パン屋を始めるにあたっては、児島の物件をたくさん見て回りましたが、条件に合うところがなかなか見つかりませんでした。
そうしているうちに、康之さんのお父様が「小屋を使ったら?」と提案してくれたそうです。場所は、住宅街からは近いけど、一見パン屋があるとは思えない細道を登っていった先の野山に囲まれた場所。自宅の一角にある、農機具庫として使っていた古い建物です。
使えるものは残しながら、改装はできる限り康之さんがしました。
「こんなところにパン屋って普通じゃ考えられないじゃないですか。そういうので充分だろうと思ったので、この環境にあるものを生かして余計なことはしませんでした」と康之さんがいう店内は、時間とともに移ろいゆく太陽の光が白い壁に映り、無音の空間に草木の音や鳥の鳴き声がかすかに響きます。構想も含めて2年かけ、2012年の春に「Yuumino」はオープンしました。

「東京のパン屋がすごくおいしくて、ここのパンに近づけるように。
毎日食べても飽きないようなおいしいパンを目指して作っています」

宣伝を何もしなかったので最初はほとんどお客さんが来なかったそうですが、夏に初めてチラシを配ったことで近所の人に知られるようになったそうです。
「こんなところにパン屋があったんかって言われました」と夕美さんは笑って言います。それから地元タウン誌に取材され、いろいろな人が訪れるように。今では人気店になっています。

やりたいことを楽しむ

オープンからこれまでには次男と三男の出産もあり、それぞれ1年と半年お店を休みました。
3人のお子さんを育てながらお店をやるには、周りの協力が欠かせません。

「義父母も協力してくれるし。実家の両親も頻繁に大阪から来てくれます。
夫も子どもの世話をよくしてくれるし、今では離乳食も作れるんですよ。みんなの協力なしではお店はできなかったです。
それに、児島は待機児童もいないし、穏やかだし、子育てしやすいです。パン屋と子育ての生活がとても楽しいです」

「ありがたいことにお客さんが来てくださっているのでお店を続けられています。
今後も続けていきたいというのが一番の目標。今は土日のみの営業ですが、いずれは平日にも開けてもっといろんな人に来てもらえるようにしたいし、買ってすぐ食べられる空間を作ったりもしたいです」と夕美さん。康之さんも「お互いやりたいことをやるのが僕たちのテーマ。僕は美術をやるし、それと同じように、妻もやりたいことがあるんだったらやる。せっかくチャンスがあるんだから、やらないともったいない」と言います。
児島で、子育てをしながらご自身の夢も実現していっているお二人の今後が楽しみです。

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