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Migrants interview 移住者インタビュー

憧れだった農家を目指して、大阪から倉敷市へ。

西田和寛さん・由起子さん夫妻

たくさんのブドウ農家があり、上質なマスカットが作られていることで知られる倉敷市船穂地区。

移住時の年代
30代
家族構成
夫婦と子供
移住スタイル
Iターン
移住時期
2015年

教師からブドウ農家へ転職

たくさんのブドウ農家があり、上質なマスカットが作られていることで知られる倉敷市船穂地区。
中でも「果物の女王」とも言われているマスカット・オブ・アレキサンドリアは全国でも人気で、贈答用などの高級果物として高値で取引されることもあります。そんな船穂地区に、ブドウ農家を目指してやってきた西田和寛さんと奥様の由起子さん。
2015年に移住し、研修生として農業を学んでいます。

大阪府高石市出身の和寛さんと、沖縄県出身で短大時代以降を大阪で過ごした由起子さん。
ともに大阪で小学校教諭をしていた2人は、職場で出会い結婚しました。和寛さんは昔から農業に憧れがあり、由起子さんも結婚前からそのことを知っていたそう。教師をやりながらも農業への憧れは募るばかり・・・。
そんな和寛さんの背中を押したのは「1回本気で調べたり行ったりしてみたら? それで、できそうだったらやればいいし、できそうになかったらやめればいいんじゃない?」という由起子さんの言葉でした。一番上のお子さんが小学校に上がる前のタイミングだったことも、転職・移住を考える大きなきっかけになったようです。

こうして参加した移住希望者向けのオリエンテーションで、岡山県のブースに出展していたのが倉敷市でした。そして、実際に畑の見学へ来た際、畑がある高台から高梁川と港のある景色を見て「高石市の雰囲気に似ているし、良いところだな」と感じたそう。
その後、夏休みを利用して再度見学し、翌年の春、和寛さんが34歳の時に教師を辞めて倉敷市船穂地区に移住をしました。

農業研修生としての日々

就農にあたっては、倉敷市の農業研修制度を利用。研修先の農家に通い、一緒に仕事をしながら一からブドウのことを学んでいきました。「なにも農業経験がなかったので、この研修制度はありがたかったです。慣れないことはあるけど、師匠が温かく教えてくださったので大変だと感じることはなかったです」と和寛さんは言います。
農家というと朝が早いというイメージですが、やはり和寛さんも日の出とともに畑に行き、日が暮れると家に帰るという生活。
ブドウ農家が一番忙しい4〜6月には、4時頃に起きて8時頃まで畑にいるそう。また、研修先とは別に自分のハウスもあり、こちらは基本的に由起子さんが通って和寛さんの指示に基づいて手入れをして、自分たちのブドウを作っているとのこと。

育てているのは、マスカット・オブ・アレキサンドリア、シャインマスカット、瀬戸ジャイアンツの3品種。「高級フルーツと言われるマスカットなので、一房一房丁寧に接しながら育てています。子どもみたいですね。やったことがブドウの出来につながるので、”こうやったからこんなふうになったんだ”というのも楽しいです」と和寛さん。
さらに「教師だった頃と違って定期的な休みはなくなりましたが、日が暮れたら帰れるので、家族と一緒の時間を取れるようになりました。お日様のリズムを感じながら過ごせるのも心地良いです」との言葉からも、充実した日々がうかがえました。

倉敷市船穂地区の農家には、跡継ぎや県外からの移住者など20〜40代の人も多く、それも移住先をここにした決め手だったそう。こうした仲間たちとも日々支え合っていて、特にそれを実感したのは移住して2年目の時。和寛さんがバイクで事故をして2ヶ月入院。
丁度、由起子さんが3人目のお子さんを妊娠中でした。その時、農家の仲間たちが和寛さんのハウスの世話をしてくれたり、つわりで運転ができなかった由起子さんを病院までつれていったりしてくれたそう。

 

「農家仲間の方たちのおかげで、休ませてもらっている間もハウスを荒らさなくてすんで、すごく感謝しています。近所の方や行政の方々もとても良くしてくださいました」

研修期間を経ていよいよ独立就農

3年間の研修期間中の収入は、年間150万円の国からの補助金のみ。
もちろんそれだけで家族5人が生活するのは難しいので、足りない分は貯金を切り崩しているそう。
「農業を始めるためには貯金をしておかないといけない、というのが最初からあったので、
3年間はなんとか生活できるように準備をしてきました」とのこと。

2018年の3月には研修が終わり、4月からはいよいよ独立就農へと移ります。
研修期間であれば、例え天候が悪くて収穫量が少なかったとしても補助金が必ず支給されますが、就農後は収穫量が収入に直結するようになります。独立を目前にして気持ちが一層引き締まっている様子の和寛さんに、独立にあたっての思いと、10年後に農家としてどうなっていたいかを聞きました。

「ずっと農業で食べていけるようにしたいというのと同時に、倉敷市船穂地区は上質なブドウを作っているという全国的な知名度があるので、その名を汚さないようにしたいです。10年後だとなおさら。全国に誇れるブドウを作っていきたいです」

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